8枚目〜大工の聖ヨセフ

ジョルジュ・ド・ラトゥール Georges de La Tour
1642年

ヨセフとイエスが描かれているのだけれど
一般人が観る場合、そんなことはどうでもいい
宗教画ではあるけれど、名画はその宗教性を越えて楽しめる

ヨセフだろうが、ヨーデル(♪ラーララリホ〜)だろうがヨダレ(バッチイ)だろうがなんでもいいのだ
ここに描かれているのが近所の爺様と銭湯のおばちゃんのお孫さんであってもいいのだ

ロウソクの光

視点はそこに集中する


光の魔術師と言われるフェルメールと違い、外の明かりではなく、絵の中に光がある


見つめていると、時間は止まる
そば耳をたてると、ロウソクの炎が燃える音のみが聞こえる

解説によれば、板に穴を開けようとしているヨセフの行動は
後に磔にされるイエスを暗示ているかのようとも書いてあるけれど
ラトゥールが何を表現したかったのかはわからない


この絵を見つめていると、1642年に描かれたこの絵が入口となり
時代は2000年前に旅をする

現代から1642年、そして2000年前へと

ロウソクの炎が連れて行ってくれる



時空の旅度          ☆☆
楽器は変われど声は不変だ度  ☆☆☆
なぜ寂しさを感じるのだ度  ☆☆