今から86年も前、彼は言った

「道程」    高村光太郎

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため


彼の場合、観念的な意味の道ではあるけれど
ひたすら一本道が見えるたびに、この詩を思い出す


人が必要とするから道をつくるのだけれど、
そこ道があるから通りたくなるみ道もある

なぜ、歩くのか
そこに道があるから

なぜ走るのか
そこに道があるから

奇しくも、マロリーが消息を絶ったのは、同じく86年前
1999年にその遺体が発見されたけれども
今なお、彼がエベレストの頂上にたどり着いたのかは不明のまま

なぜ山に登るのかという問いに対し
「そこに山があるから」と答えたといわれているマロリー
名言だと思う



そこに道がある限り
人は歩き続けると思う
そして走り続けると思う



切なさ度          ☆☆☆
素直になってしまいます度  ☆☆☆
感じることそのままに度   ☆☆