11枚目〜「室内、ストランゲーゼ30番地」

1901年のこの作品、名画「海賊バカニーア」と対照的な静けさ
その静けさは、ちょっぴりエドワード・ホッパーの作風に似ている気がする


Vilhelm Hammershoi ヴィルヘルム ハンマースホイ
この人も全く知らなかったけれど、1年半ほど前に見た展覧会の印象が未だに忘れられない

チラシを観たとき、なんだか薄暗くて、寂しげだなと感じた
チラシの一枚の絵の印象では、その程度だった

でも、実際に複数の絵を観ると、その印象は変わった

複数観ることで、絵の印象が変わる
こういうタイプの画家は久しぶりだ



「白い扉、あるいは開いた扉」 1905年
デ・キリコとはまた違う静けさがある
無機質を感じさせるわけではない
普通は、ドアをこんな風に開けて絵を描こうとは思わない
発想が違うなぁ
窓を開けたその構図
静かでゆっくりとした時の流れを感じさせる
止まるか止まらないかの微妙な速さで



「室内 ストランゲーゼ30番地」

この人変わっている
最初はそう思った
だって、同じ構図で、ちょっとだけ違う物がたくさんあるのだもの


これも同じタイトルだし

奥さんのルイーダさん
とても仲がよさそうだ


ん〜立っている方がステキだな


「ピアノを弾く女性のいる室内 ストランゲーゼ30番地」

ピアノ
でも不思議と音が見えない
静けさを誘う
聴こえない音楽
サティがよく似合う


「ピアノを弾く女性のいる室内」

人物を描くとき、普通は顔が見えるように描く
でも彼はあまりそうしない
どうしてなのだろう
後姿を描くことで、何か普遍的なものを描きたかったのだろうか


「コインコレクター」
表情は見えない。楽しそうでもない
でも寂しくは感じないのが不思議



「陽光」

フェルメールとは違う、その光
その光が、静けさに優しさを誘う


「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」
「海賊バカニーア」は、当時40ポンドで個人が購入したと解説に書いてあった
1900年当時のポンドの価値がいくらなのか知らないけれど、安すぎではないかな

国立西洋美術館が2008年に購入したこの絵
常設展でいつでも見ることができるようになったのはとても嬉しい
さて、一体いくらだったのか…


優雅に泳ぐ度         ☆☆☆
ゆっくり羽ばたくのが見える度 ☆☆☆
華麗に踊る度         ☆☆☆☆