震災で気付く見えない感謝

言葉にできない悲しみが人を襲う
何を語りかけても
何を見つめても
彼らの悲しみは、すさまじいものがある


現地での彼らの恐怖と寂しさから守るため
数えきれないくらいの方たちが、必死の想いで動いている
東京で彼らのニュースを見るたびに
自分も間接的に助けられていると改めて思う


電力の恩恵を受けている多くの人々
それは当然のように利益を享受しているけれど
裏ではリスクを補うべく様々な多くの人々の力が支えている


人はみな、利益を享受することに慣れてしまうと、いつしかそれが当然ことであるかのように錯覚をしだす
お金を払っているんだから当たり前だ
そんな傲慢な気持ちが浮上する


自分の近所のスーパーでも、お米が買い占めになり、たまたま切らしたお米を買うことができなくたった
お米に関しては、うちはいつも、30kmも離れたお米屋さんに個人的にお願いして、届けていただいている
納品のついでに通りますからという、お店の方の優しいお言葉に甘えてお米を定期的にお願いしていた
今回切らしてしまって、さてどうしようと迷っていた
近所のスーパーには売りきれ続出
さてどうしよう
多分ないだろう、だめもとで電話してみるかとおそるおそる電話をしてみれば、
「いつも買っていただいている方の分はとってありますよ。一生買っていただくつもりで商売しているんですから。」
そんなお言葉をいただいた
震災後は、お店に毎朝50人位が並んで開店を待っているというのに
30kmも離れた一人のお客のことを心にとめてくれていた
お店にとってみれば、数あるお客の中の一人でしかないのに
心配してくれている


見えないところで自分も支えられている
思わず小さな涙がこぼれてしまう


震災の後、義弟の職場で、義弟のみがお昼で帰された
なんだかんだ言っても知的障害だから、こういうときは役にたたないのも仕方ない
役にたたないどころか、いざとなれば足手まといに思う人も残念ながらいることは事実
そう思っていた矢先、職場の社長から電話をいただいた
先に一人で帰したことを、家族が不安に感じているであろうことを心配しての電話だった
決して役にたたないわけじゃない、電車が止まってしまったり、通行人がパニックで混乱したときに、彼はどうしていいか戸惑い、対応できなくなるであろうし、優しい彼が、混雑している人ごみの中をかき分けて、強引に帰宅するのは難しいと思った、だから彼の安全を思って先に帰宅させた、決して役にたたないわけじゃない、それだけは勘違いしないで欲しい
そう言って涙を流しながら社長は自分に語ってくれた


見えないところで家族が他の人に支えられている
思わず大きな涙がこぼれてしまう


感謝する気持ち
それを享受することに慣れてしまうと、それが当然のことのように錯覚をしてしまう
見えないところで、いつも誰かに支えられている


それがどんなときに思いだすのか、様々だけれど
忘れてはいけないものもある



悲しみよ吹き飛ばせ度     ☆☆☆☆☆
曇りの空も笑顔で吹き飛ばせ度 ☆☆☆☆☆
明日はきっと晴れるさ度    ☆☆☆☆☆