メディアの地理的偏頗性

自由貿易協定( Free Trade Agreement, FTA)なるもの、全く詳しくないのだけれど、日本において新聞メディアは、肯定的意見が多いという
協定を結ぶことで、関税を取り払い、貿易の自由化と繋がるわけだけれども、メリット、デメリットは当然にある


気になったのは、新聞メディアが賛成意見が多いらしいということ
それが良いのか悪いのかということではなく、新聞メディアがそろって賛成意見を出すことで、それを読む購読者はどう感じるのか気になる


全国紙である主要新聞は、みな東京に本社がある
各地の情報が東京本社に集まり、それを構成して紙面となる
しかしその記事の取捨選択は本社の社員が決める
当然のことながら、東京での生活の価値観が入り込む


なんでも、FTAに関するアンケートによれば、日本全国では賛成の県は1つもないのだそうだ
反対か、もしくは慎重にするべきという意見がすべてだそうな


FTAに加入することで、お米が安く輸入されるようになり、日本の農業は根本的な大打撃を受ける可能性が高いという
しかも農業生活者の平均年齢は現在66歳だそうな
収入減少による生活の保護は、年金等で補填すべしという問題ではなく、もっと根源的な問題が存在する


新聞ってなんなのだろう


雑誌はどうだろう
例えば雑誌「BRUTUS
ちょっと前のデータだけれど、栃木で県では800冊、山形県では160冊しか売れていないという
この数字は、東京の青山ブックセンターの1店舗の売り上げより少ない数だという
自分が目にする雑誌
日本語で書いてあるので、日本の中では通じる一般的なものかと思ったら大間違いということ
BRUTUSなんで、首都圏でしか通じない事実上ローカルなものということ


インターネットはどうだろう
インターネットがきっかけとなり、それが新たな情報手段として、今まで事実上支配されていたメディアに対し、国民がその仕組みを破壊し、独裁政治を破綻に追い込もうとしているエジプトの例もある


インターネットは地域性がないともいえる
でもそれは、アクセスに地域性がないというだけであって、書き手の地域性は存在する


活字は難しい


例えば日本独特の記者クラブというシステム
活字になる前の、そもそもの情報提供側からして難しい問題があるのに、それを活字にすればなおさら問題は深刻化する


新聞も雑誌もインターネットもそのメリットの存在ゆえ、多少のデメリットがあろうとも今後無くなることはないと思う
デメリットばかり着目しても、たいした意味はない


活字として書かれていることが事実かどうかは、自分で調べればわかるこことが多い
それゆえ、事実かどうかということはさほど気にしなくてもいいと思う
まあそういう意見もあるでしょ、そんな気持ちでいいのだと思う
戦前の報道規制の時代じゃないのだし、必要とあれば自分で判断することは可能なのだから


気になるのは事実かどうかではなく、書き手の位置する地域性
口頭での表現と異なり、活字にすることで、その書き手がどこの地域性を踏まえたものなのか分からなくなる
言いかえれば、地域性を不透明にすることで、普遍性を有し、地域性を超えた伝播力を得る
活版印刷が発明され、文化文明が急速に広まったのは、活字の地域性の否定によることもあると思う
その意味で、地域性を不透明にすることはメリットもある
けれども、デメリットが存在することは否定できない
地域の意見なのか、普遍的な意見なのか曖昧になることは否定できない
新聞、雑誌、インターネットなどの活字は、文責として名前を出すだけではなく、文責者の地域も出した方がいいのではないかなと個人的にふと思わされた



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気取って見て見てオレオレ度 ☆☆☆☆
観客目線でハートに涙度   ☆☆