映画「ビューティフル アイランズ」①


「Beautiful Islands」
海南友子監督 


南太平洋にある世界で4番目に小さな国
ツバル
初めて聞いた国


そこはエメラルドグリーンの海のある静かな世界
人口が1万たらずの国だという


50年後には沈んでゆくと言われているそうな


地球温暖化
それは200年ほど前に始まったとされるが、問題にされてきたのは50年たらずだという
この前、NHKの子供相談のラジオで言っていた
原因は人間かもしれないと言われているが、はっきりしたことは不明だとか


このツバルなる島も、やがて沈んでゆく


そんな国での生活も、
子供たちの笑顔は絶えない


爺様は、沈むかもしれない島の運命を嘆いてはいるが
沈まないと信じている
願っている


島の人は言った
ここでは、電話もネットもないから、みんなで集うことで生きているんだと
電話もネットもない世界
東京で暮らしている限り、それは無縁の世界
そこには自分の知らない世界がある


電話もネットもありふれた自分の住む町
そこには近隣との付き合いのない集うことの少ない街


島の人は笑顔を絶やさない
エンディングの彼らのダンスはそれを物語っている
けれどそれはやがて失われてゆく
おそらく人の手ではどうにもならないかもしれないもの


どうにもならないもの
それを運命というならば
彼らの生活はいずれ水没する運命にある
lost forever


カメラのとらえた、2人の若者の海の上での横顔
遠くを見つめる彼らの視線は、自分たちの運命を知り、寂しげな雰囲気を漂わせる
将来の不安が彼らの視線に、寂しさを誘う


人は常に何かに不安を抱えているもの
自分の意思で、どうにもならないものに出会ったとき
そんな環境では、神様しか頼るものがいないというのも分からないではない
彼らは、沈みゆく島の運命に関し、神様を信じていると言いきった


笑顔を絶やさない彼らの生活でも
神様を信じる必要がある、何らかの不安がつきまとうのかもしれない


子供たちは言った
遊んでいることは楽しいと
家族が多くてハッピーだと


あの笑顔に、これ以上、何が必要なのか
いつしか彼らが大きくなり
自分たちの力ではどうすることもできないことがでてきたとき
あの笑顔はまだ見ることができるだろうか
物質面で足りないものはあるのかもしれないけれど
精神面で足りないものなどあるのだろうか
精神面で足りないもの
彼らは神様に何を求めるのか
彼らの生活に足りないもの
それは何なのだろう
あの笑顔に足りないもの
そんなものはあるのだろうか




そこには自分の知らない世界がある







静けさの荘厳度        ☆☆☆
伝えたいものに言葉は不要だ度 ☆☆☆☆
コーラスで訴えるものがある度 ☆☆☆