4枚目〜Divan Japonaise, 1893

手元にある集英社の1970年発行の画集は、彼の言葉で始まる


観念の産物ではなくて
ほんとうのものをぼくは描こう務めた
でもそれだけではたぶん不完全だ
みにくいものを
ぼくが気に入って描くはずはないからだ
ぼくはそいつらにおどけた筆で
愛嬌をつけ
まる味をつけ
輝くほどに仕立て上げたいのだ

人間だけがあり
風景はアクセサリーで
それ以上のなにものでもない
純粋の風景画家なんて野蛮人だ
風景は一人一人の人間をうまく描きだすために
そのためだけに役立つくらいのものだ

もしぼくの脚がもう少し長かったら
ぼくは決して絵を描きはしなかったろう

ロートレック


その発言内容には、反対意見も多数出るところだけれど
ハンディキャップの脚をもち、貴族の出でありながら、
庶民との親しげな付き合いを好んでしたといわれる彼ならではのコメントだ
明るい性格で、人気者だったという彼の絵は
その明るさがにじみ出て、ポスターとしてよく似合うなぁ

当時踊り子であったユトリロの母と恋仲になり、モデルにもしているこの絵
なんとも愛らしいです



静かなるフレンチ度  ☆☆
エレガント度     ☆☆
芸術家万歳度     ☆☆☆