静けさの語るもの

芸術新潮」2009年2月号の中で、ハンマースホイ<ピアノを弾くイーダのいる室内>を壇ふみ氏が紹介していた

「世の中は、どんどん饒舌になっている。ケータイのメールは絵文字で飾られ、テレビのお笑いにはテロップがつき、スクリーンでは恐竜でも超常現象でも本物さながらに暴れまくる「想像の余地」は、いったいどこにいってしまったのだろう」

ハンマースホイにはこれがないから、彼女も好きなようだ


確かに、街中を歩けば、24時間眠らないネオンや、自己主張の強すぎる過剰な宣伝にあふれている

「想像」することは、まるで害悪であるかのように、あらゆるものが脳にダイレクトに刺激を与え続ける


音楽は音を出すことだけが全てではない
音を出していない部分もあるから、音が出ている部分が引き立つ

DE CHIRICOの絵画のように、音のない音楽を感じさせるものがあってもいいと思う

普段の生活も、音楽のそれと同じだと思う


饒舌な生活様式が悪いとは思わないけれど
「想像の余地」を残す限りでの饒舌であって欲しいと思う




素直に泣いてしまいます度                  ☆☆☆☆
間がいかに大切かわかるなあ度                ☆☆☆
ショーンコネリーが、アルコールをじっくり味わってる感じ度  ☆☆☆☆☆